映画 Dancing Lady より Franchot Tone & Joan Crawford
from Hollywood Lovers by J.C.SUARES [Thomasson-Grant]
大富豪のトッド・ニュートン(Franchot Tone)、
貧しく粗野な踊り子ジェーン・バーロウ(Joan Crawford)に
一目ぼれして追い続けるその姿はまさにフランショーの人生そのもの。
すがる目つきで見つめ続ける。
粗野である事、貪欲である事が、ほとばしる生命力として美しいジョーンと
アメリカの歴史の中でもまれに見る名家の、その歴史が作り上げた
端正な王子様(プリンス)そのもののフランショー。
この映画の、フランショーとジョーンの二人の間にはマジックがある。
男とは、こんなにも一人の女を恋焦がれる(deeply in love)ものなのか?
と、いうぐらい切ない恋がある。
フランショーはいつもジョーンを見ている。
フランショーはいつもジョーンの眼差しが自分に注がれる事を追い求める。
フランショーの、ジョーンへの思いが、見事に重なって
ジョーンの、フランショーへの興味が、見事に重なって
Dancing Lady は佳作です。
男の恋心(The heart to love)が痛いほど伝わってくる恋愛映画として。
二人は若くてとびっきり美しく、銀幕では時間が止まっていて
私たちは見ることが出来る。
豪華で美しい夢のあとを。
Clark Gable(クラーク・ゲイブル) 1930年代
ちなみに
Clark Gable(クラーク・ゲイブル)は
この映画の役に大変不満でした。
MGMのボス ルイス・B・メイヤーはFranchot に
粋なプレイボーイ役を与えたのですが、
Franchot はそれを見事自分の物にして
映画をさらってしまっただけでなく
かつて
ゲイブルと熱愛関係にあったジョーンが
Franchot に夢中になってしまい、
その上ジョーンの最初の夫である
Douglas Fairbanks Jr.(ダグラス・フェアバンクス・Jr )を
売り出した時にした手法と同じく
ジョーンとの熱愛でFranchot (フランショー)を売り出した為でした。
この映画の件で、クラーク・ゲイブルは
MGMのボス ルイス・B・メイヤーと少し対立してしまい
コロンビア映画に貸し出されてしまう事になりました。
が、それが皮肉にも彼には幸いして、
見事アカデミー主演男優賞を獲ってしまいました。
それが
「ある夜の出来事」(It Happened One Night 1934)です。
from
Crawford's Men by Jane Ellen Wayne [St. Martin's Press]
Douglas Fairbanks, Jr & Joan Crawford
ダンシング・レディ(1933) - goo 映画

